病院コラム

2018年9月19日

2014年11月 ハワイ獣医師会大会に参加しました

こんにちは。獣医師の岸本です。
先日、第61回ハワイ獣医師会年次大会に参加してきました。
私は耳鏡実習と講義を受講してきました。
耳鏡実習は先生のデモンストレーションを見て、一通り流れを確認した後、1グループ3~4人に分かれて行いました。講義は全て英語でしたが、通訳の先生もいて不自由ありませんでした。

基本的な耳道内視鏡の扱い方から始まり、耳道内の洗浄、鼓膜穿刺、中耳内の観察を教わりました。私が担当したわんちゃんの耳道はかなり汚れていて、鼓膜近くにはノギ(草の実)が4~5個刺さっていました。
キツネのしっぽに似ていることから英語ではfox tailと言うそうです。このように耳道の奥に異物があると、通常の耳洗浄処置を行っただけでは外耳炎は改善されません。ビデオモニターで確認しながら確実に異物取り除き、耳道内、特に鼓膜付近に存在している耳垢を洗浄、除去する必要があります。

犬や猫の耳道は英文字の“L字型“になっており、人に比べて耳道が長く、複雑です。その為、通常の耳の洗浄処置は軽度の外耳炎であれば問題ありませんが、重度の外耳炎では鼓膜付近に頑固な耳垢や毛がこびりついていることが多く、盲目的な洗浄処置だけでは対応できません。水平耳道や鼓膜が見難く、神経が多く分布している為、耳道内視鏡を行う際には、麻酔をかけて行う必要があります。麻酔が不可欠というデメリットはありますが、ビデオモニターで確認しながら鼓膜の状況の確認、外耳炎、中耳炎の治療が行える耳道内視鏡は有益だと私は思います。
当院にも最新の耳道内視鏡がありますので、「耳が臭い」、「耳を痒がる」、「首をふる」、「外耳炎を繰り返す」などの症状がある場合はスタッフにご相談下さい。

最後に、長期のお休みを頂き、皆様には大変ご迷惑をお掛けしましたが、今回の研修で得た経験や知識を今後の診察に生かしていければと思います。